特定技能ビザとは?1号・2号の違いと2026年の分野拡大・制度改正をやさしく解説
特定技能は、人手不足が深刻な分野で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。採用を進める企業には、対象業務の確認に加え、雇用契約や支援体制の整備など、制度に沿った準備が求められます。
2026年には対象分野の拡大や制度運用の見直しが進んでおり、採用担当者は最新情報を踏まえた対応が重要です。本記事では、特定技能制度の基本、1号・2号の違い、受入れ企業の要件、採用時に確認したいポイントをやさしく解説します。
目次
特定技能ビザとは
特定技能ビザとは、人手不足が特に深刻な分野で、一定の専門性や技能を持つ外国人材を受け入れるための在留資格です。正式には「特定技能」といい、現場で即戦力として働くことが期待されています。
技能実習制度が技能移転を通じた国際貢献を目的としてきたのに対し、特定技能は日本国内の人手不足への対応を主な目的とする制度です。また、育成就労制度は外国人を育成しながら人材確保につなげる仕組みとして導入が予定されており、特定技能への移行ルートの一つとなることが想定されています。
採用企業にとっては、単に人材を採用するだけでなく、生活面も含めて就労を支える体制づくりが重要です。制度の基本を押さえたうえで、自社の業種・受入体制に合うかを確認しましょう。
特定技能1号・2号の違い
特定技能には「1号」と「2号」があります。1号は技能を持つ外国人がまず就労するための在留資格であり、2号はより熟練した技能を持つ人が長期的に働くための在留資格です。
| 項目 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 対象分野数 | 16分野 | 11分野 |
| 在留期間 | 通算で原則5年まで | 上限なしで更新可能 |
| 家族帯同 | 原則として不可 | 要件を満たせば配偶者・子が可能 |
| 試験要件 | 技能試験と日本語試験が原則必要 | 熟練した技能を確認する試験が中心 |
| 永住許可申請への算入 | 在留期間は算入されますが、就労5年要件には算入されない場合があります | 居住10年・就労5年などの要件における在留期間の算入対象となります |
特定技能2号では日本語試験が原則不要とされていますが、分野ごとの試験や実務経験など、満たすべき条件があります。1号から2号への移行を見据える場合は、対象分野かどうかと必要なキャリアを早めに確認しておくと安心です。
【2026年最新】対象分野一覧と3分野追加による19分野への拡大
特定技能1号の対象は、現在16分野です。2026年1月23日には、政府が「物流倉庫」「資源循環」「リネンサプライ」の3分野を追加する方針を閣議決定しました。省令や試験などの整備後、順次受入れが可能となる予定で、対象は19分野へ拡大する見込みです。
| 区分 | 対象分野 |
|---|---|
| 現行16分野 | 介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業 |
| 追加予定の3分野 | 物流倉庫、資源循環、リネンサプライ |
ただし、分野ごとに受入れ見込数や運用ルールが設けられています。たとえば外食業では、政府の受入れ見込数5万人に到達したため、2026年4月13日から特定技能1号の新規受入れが原則停止されています。求人を出す前に、希望する分野で新規受入れが可能かを確認しておくことが大切です。
特定技能で外国人を受け入れるための要件
特定技能1号で働く外国人本人には、原則として次のいずれかのルートが必要です。
- 分野ごとの技能試験と、日本語能力を確認する試験(JFT-Basic、日本語能力試験など)に合格する
- 技能実習2号を良好に修了し、関連する特定技能分野へ移行する
一方、受入企業には、分野ごとの基準を満たすことが求められます。代表的なものとして、外国人に日本人と同等以上の報酬を支払うこと、労働関係法令や社会保険関係法令を守ること、安定して事業を継続できることなどがあります。
試験に合格していれば必ず採用できるというものではありません。企業側の要件、雇用契約の内容、支援体制なども含めて審査されるため、採用計画の段階から確認を進めることが大切です。
受入機関(企業)に課される義務 ― 1号特定技能外国人支援計画と登録支援機関
特定技能1号の外国人を受け入れる企業には、「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、実施する義務があります。これは、外国人が日本で安心して働き、生活できるようにするための計画です。
義務的支援には、事前ガイダンス、入国時の送迎、住居確保や生活契約の支援、生活オリエンテーション、日本語学習の機会提供、相談・苦情への対応、日本人との交流促進、転職支援、定期的な面談など、10項目があります。
自社だけで十分な支援を行うことが難しい場合は、出入国在留管理庁に登録された「登録支援機関」へ支援の全部または一部を委託できます。ただし、委託した場合でも、受入企業としての責任がなくなるわけではありません。委託範囲や連絡体制を明確にしておきましょう。
申請の流れ
海外から新たに採用する場合は、原則として企業が「在留資格認定証明書交付申請」を行います。証明書が交付された後、本人が海外の日本大使館・領事館で査証(ビザ)を申請し、許可後に入国する流れです。
すでに日本に在留している外国人を採用する場合や、技能実習から特定技能へ移行する場合には、「在留資格変更許可申請」を行います。いずれの場合も、雇用契約書、支援計画、試験合格証明書など、状況に応じた書類が必要になります。
- 対象分野・本人要件・企業要件を確認する
- 雇用契約と支援計画を整える
- 在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請を行う
- 許可後に入国または就労を開始する
送出国との間で二国間協力覚書がある場合は、送出国側で推薦状の取得など、追加手続きが必要となることがあります。入国予定日から逆算し、送出国ごとの手続きを早めに確認することが重要です。
【2026年最新】制度改正のポイント
2026年は、特定技能制度に関わる動きが続いています。まず、物流倉庫・資源循環・リネンサプライの3分野が追加され、19分野へ拡大する方針が示されています。実際の受入開始時期は、分野ごとの省令・試験整備の状況を確認する必要があります。
また、外食業では受入れ見込数の上限到達により、2026年4月13日から特定技能1号の新規受入れが原則停止されています。外食業で採用を検討している企業は、対象となる採用か、例外的な取扱いがあるかを個別に確認することが必要です。
さらに、2026年7月3日には、在留資格の変更・更新などにかかる手数料を、現行の6,000円(オンライン申請は5,500円)から75,000円程度へ引き上げる政令案が示されました。2026年10月1日からの施行が予定されていますが、本記事執筆時点では政令案の段階です。制度化された場合に備え、採用・更新にかかる費用計画へ影響する可能性があります。
受入れがうまくいかないケース・注意しておきたいポイント
受入れ後のミスマッチは、仕事内容や給与だけでなく、日本での生活に関する説明不足から生じることがあります。勤務場所、シフト、残業、控除後の給与、住居費、通勤方法などは、採用前に本人が理解できる言葉で丁寧に共有しましょう。
また、支援計画を作成しただけで実施が不十分な場合、トラブルにつながるおそれがあります。定期面談では、仕事上の悩みだけでなく、住居、健康、日本語学習、人間関係などについても確認し、必要に応じて早めに対応することが大切です。
制度上の要件は分野や本人の経歴により異なります。技能実習からの移行、家族帯同、特定技能2号への変更などを検討する際は、現在の在留状況と必要書類を個別に整理するようにしましょう。
まとめ
特定技能は、人手不足分野で外国人材を受け入れるための重要な制度です。特定技能1号では技能・日本語能力の確認と生活支援が重視され、特定技能2号では長期就労や家族帯同の可能性も広がります。
2026年には対象分野の拡大方針や外食業の新規受入停止、手数料改定案など、採用実務に影響する動きがあります。制度の最新情報を確認しながら、採用前の要件確認と受入れ後の支援体制を整えることが、安定した雇用につながります。個別の事情によって判断が分かれる部分も多いため、不安な点がある場合は早めに専門家へ相談することをおすすめします。
制度の詳細や最新の必要書類は、出入国在留管理庁「特定技能制度」、「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」でも確認できます。
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